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11月25日号(Vol.235)
せたがや文化・スポーツ情報ガイド(年12回発行) 公益財団法人世田谷区スポーツ振興財団と共同発行。 毎月25日に、世田谷区のアートとスポーツの最新情報をお届けします。

財団活動リポート

「作品のない展示室」 世田谷美術館

「作品のない展示室」は、窓越しの眺めをはじめ公園美術館としての建物そのものの美しさを見てもらうという企画です。
いつもとは異なる展示室の開放的な空間にSNSや口コミで評判となり、約2か月の開催期間に来場者は1万6千人を超えました。

 新型コロナウイルスの影響で、多くの美術館と同じく世田谷美術館も予定していた企画展がやむなく中止となりました。予定が空いた期間の展示室をどう活かすかを職員で話し合う中で、展示室の空間や美術館の建物に親しんでもらう機会にと「作品のない展示室」を企画し、その開催を決めました。

 世田谷美術館は1986年(昭和61年)の開館。「健康な建築」を唱え、自然界に息づく秩序やかたちを建物に取入れた建築で知られ、また吹上御所の設計も担当した、建築家・内井昭蔵(1933年〜2002年)の設計です。砧公園の豊かな自然と調和した開放的な空間に、公園の緑に溶け込むよう窓の多いつくりになっていますが、作品保護のため通常は展示室の窓はふさがれています。

 「作品のない展示室」では、展示室の約千平方メートルという空間を感じられるように、可動式の仕切りは全て取り払い、空の展示ケースもあえてそのままに見せました。そして、窓のガラス越しに緑の深まった中庭やテラス、クヌギの大木を眺めることができるようにしました。がらんとした展示室の空間と、窓枠で切り取られた景色と建物の美しさを楽しみながら、ベンチに腰掛けたり、写真を撮ったりと思い思いに過ごす来場者の姿が見受けられました。
 SNS上の感想には、「大きな窓から見える景色が絵画のよう」「心の視野が広がる時間」「この美術館そのものが作品」「心に余裕をもたらす素敵な空間」「先の見えない昨今の人々の気持ちを代弁するかのような展示だが、その空白に射し込む光には強く魅かれた」等、職員の予想を超える好評が多く寄せられました。新聞各紙でも展示室の写真とともに大きく取り上げられ、絶えず幅広い年齢層の来場がありました。
 副館長の橋本善八は、内井昭蔵の建築思想である自然との調和について、美術館の建物の内側から開け放すことで実感してもらえたのではないかと話しています。

 ギャラリーの一室では、コロナによる中止の企画展も含め、開館以来の195の企画展のポスターを映写機で写し振り返りました。企画展に合わせ館内で行ってきたダンスパフォーマンスの記録映像も流し、世田谷美術館の多彩な活動を紹介する機会にもなりました。8月27日には「作品のない展示室」クロージング・プロジェクトとして、パフォーマンス「明日の美術館をひらくために」を行い、その様子は世田谷美術館ホームページの世田美チャンネルで公開する予定です。
詳しくは、こちらをご覧ください。

展示室の様子
詳細はこちら
「作品のない展示室」 世田谷美術館